2009年3月2日月曜日

第二回脳神経倫理科研研究会

3月1日に東大駒場での第二回脳神経倫理科研研究会で講演を行いました。
「国内外の脳神経科学研究の動向と科学技術政策」と言うタイトルで、最近の脳科学研究に対するファンディングの状況を大づかみに理解することを目的として発表を行いました。
発表資料はここからダウンロード可能です。

発表項目は、

脳科学研究の動向

日本における脳科学研究の推進状況
 学術研究
  特定領域研究
  グローバルCOE
 目標達成型研究
  (独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
  脳科学研究戦略推進プログラム

米国における脳科学研究の推進状況
 NIH
 NSF

脳神経倫理に対するメッセージ

というものです。

多くの部分はかつて脳科学委員会で発表した資料をマイナーチェンジしたものですが、NSFは工学との接点で脳科学委員会の資料にない内容を盛り込みました。

Collaborative Research in Computational Neuroscience (CRCNS)
Cognitive Optimization and Predication: From Neuro Systems to Neurotechnology (COPN)
Adaptive Systems Technology (AST)
Cyber-enabled Discovery & Innovation (CDI)
Cyberinfrastructure (CI)

CRCNSは、コンピューテーショナル神経科学に関してNSFとNIHの共同研究の推進を図っています。
COPNは、脳内の並列回路(神経回路)がどのように適応的で最適な判断や予測を実現しているのかを対象にした研究を対象にしています。
ASTは、神経系のシステムの理解から適応的制御を有する工学システムの構築を目指すもので、個人的には非常に興味のあるところです。
CDIは、新しい計算論のコンセプト、方法、ツールの創出であり、特にデータからの知識の創出を目指すことが書かれていて、こちらも大変興味があります。
CIは、大規模コンピューティングやネットワーク技術等の整備が上げられています。

元ネタはNSFのDr. Kathie L. Olsen (Deputy Director)のスピーチ原稿です。
内容はもちろん良くまとまっていて参考になりますし、また、彼女のキャリア(研究者→政策担当者)も何かの折(キャリアパスの講演など)で使わせてもらおうと思いました。
こういったキャリアの人が日本でも増えてこなければと思います。

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