2009年9月14日月曜日

第5回基本計画特別委員会を傍聴して

金曜日12日に文科省の基本計画特別委員会を傍聴してきました。

今回は評価と研究費配分に関する議論を中心に進められました。
評価に関しては、個々の課題評価のことを多くの研究者は意識してしまうと思いますが、委員会での評価の議論は施策、プログラムレベルでの評価に重点が置かれていて、評価の階層構造の再認識とその階層間を繋ぐ、下の階層から上位の階層にその結果を反映させる制度設計について議論が行われていました。

また、そうした評価に対する議論の背景の一つには評価疲れと言う問題点も意識されていると思われます。これは研究者が研究に集中出来る環境を4期の基本計画ではより強く打ち出そうとしていること(私見)とも関係しているように思いました。

評価の階層性を明確にし、より上位のプログラム、施策、政策の再検討に結びつけるというのは、ある意味以前からも言われていることですが、より具体的に見えてくると大きく科学技術の振興自身が変わってくると期待されます。

教育研究費配分については特定の大学への集中の度合いが日本では大きいことがデータとして示されたのは興味深かったです。
教育研究費獲得額トップから獲得額が10%までに減少する程度を日米で比較していて、米国の方が減衰が(はるかに)ゆっくりだというものです。

このデータを単に一面的に議論することはできないという点は、委員会でも何人もの委員の方から指摘されていました。
集中すべきものと基盤的な研究費をどう配分するかという議論と直接関わってくるからです。
前回までの委員会でも基盤的な研究費(多くは運営費交付金を指すものと思われます)重視の意見が多かったと思いますが、今回委員長の野依先生が、運営費交付金1%減阻止ではなく、運営費交付金倍増提案をされていたのは、いろいろな意味で野依先生らしいなと思いました。

これら研究費の制度については、PO、PDの話が頻繁に出てきていましたが、次の論点も含めて個人的には多くは肯定できるけれど、もう一つ議論できていないところがあるなと思いました。これについてはまた後日。

最後は科学技術と社会の関わりに関する議論でした。
科学技術コミュニケーションを主な話となっていて、科学技術コミュニケーションにより力を入れていくべきという事ではほとんど全会一致でなかったかと思います。
また、特に科学技術を社会に伝えるというだけではなく、科学技術政策に社会からフィードバックするためにも科学技術コミュニケーターが必要であるという方向性であったように思います。
この役割、じつはPO、PDの話とも深く絡んで来ると思っています。

どの内容も一言二言では足りない論点があるので、今後ボチボチここに書いていきたいと思います。
まずは全体のご紹介まで。

しかし文科省の第2講堂は音響が悪く、発言がよく聞き取れないところがたたありました。
もうちょっとなんとかならないものでしょうかね。
資料のホームページへのUPも、他の委員会より遅いような気もしますね。

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